日記2060

実家と電話をしてたらつまらぬ昔話に花が咲いたので、書き連ねる。

歳も2桁になったばかりという位のガキの頃、
何をしでかしたのか知らんが親父を怒らせたらしく、
夜の9時過ぎに家から放り出され閉め出されたことがあった。

親父は外で反省を促す為にやったのか衝動的にやったのか、果たしてどっちかは知らんが
前者であると思っておこう。

そうやって外に放っておけば反省するだろうと思ったのだろう　が、
残念ながら私は違った。
これ幸いと「自由を謳歌しよう」などと考え、そのまま街へ出かけて行ったのだ。


これは後から聞いたのだが、
暫く経って家の戸を開けてみたらば私が忽然と姿を消しているうえに
日付が変わっても一向に帰って来ないもんだから、
家から〆出した張本人の親父はそれはそれは焦ったそうだ。

そんな親父の気など露知らず、私は呑気に歓楽街を彷徨っていたのであるが
そうしたらば見知らぬ兄ちゃんと姉ちゃんのカップルに
『どうしたこんな時間に』
と声を掛けられた。

私は『自由を楽しんでます』と答えた。変なガキである。
そこからの経緯はよく覚えていないが、コーラを奢って貰っちまったのを覚えている。

そのまま私は家へは帰らず、夜が明けてからその足で小学校へ手ぶらで登校し、
そして死ぬほど怒られたのであった。



よく考えたら、あの時に街で会った兄ちゃんと姉ちゃんにキチンとお礼を言ってなかった。
探偵ナイトスクープにでも依頼して探してもらおうかとも思ったが、
さすがに顔の記憶も曖昧であるし名前も分からないから探しようが無い。

名刺を貰っておくべきであった。



ちなみに、結局私は何一つ反省していない。
何しろ、何が原因で叱られたのかすら覚えてない有様だからだ。
親父の躾け、は正に大失敗であったのだった。